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改装されたデーメル
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ウイーンは地球上、ヨーロッパの心臓といってよい位置にあって、「ヨーロッパの宝石箱」と形容されています。この小さな宝石箱にはヨーロッパの多彩な歴史をしのばせる文化財がいっぱいつまっています。
 カフェ文化もその一つだと思います。18世紀の中ごろ、当時の女帝マリア・テレジアはカフェの営業に理解を示し店を開くことを許しました。そして彼女もコーヒーを楽しんだそうです。カフェに女性が入れるようになったのも、女帝の影響が大きかったのではないでしょうか。
 コールマルクト(キャベツ市場の意)通り界隈には老舗の高級モードの店や洒落た宝石店が軒を連ねていましたが、最近はパリと同じくルイヴィトンやシャネルが進出してきました。しかしウイーンの最もエレガントな通りのひとつには変わりありません。
 王宮のミヒャエル門からすぐのところにある“ザッハー・トルテ”で有名な高級洋菓子店デーメルは、第一次世界大戦までは王室御用達の店で、創業は1888年。店の前にはハプスブルク家の双頭の鷲の紋章が麗々しく飾られています。皇帝フランツ・ヨーゼフや皇妃エリザベートもよく公務の間を縫ってコーヒーやケーキを楽しみに来たといわれ、皇帝の肖像画のかかる「皇帝の部屋」も残っています。また、マホガニー材と大きな鏡を配したビーダーマイヤー様式の店内でいただくデーメル特製のコーヒーとケーキは、ハプスブルク時代の貴族の舘を彷彿とさせるムードとあわせもって素晴らしい雰囲気でした。
改装されたデーメル_f0082791_21592773.jpg
昨日、約一年ぶりにデーメルに行ってみましたら、そのシンボルとでもいうべき“ビーダーマイヤーの間”は改装されてチョコレートなどのお土産売り場となっていて、往時の輝きを求めて行った私は残念でなりません。しかしカフェは店の奥の方と2階に健在で、入口を入ったところにあるケーキ売り場でケーキを選び、半券をもらって席に着くと、昔から変わらぬ黒い制服姿も優雅なウエイトレスがコーヒーと一緒に運んできてくれ、至福のひとときを過ごすことができました。
 この店のもう一つの特徴は、見た目も素敵でとっても美味しいランチのあること。ウイーン食通お勧めのカフェの一つです。
DEMEL 1, Kohlmarkt 14, Wien  営業時間:10:00am〜6:00pm 年中無休 
by pon031t | 2006-01-25 21:56
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僕はワインが好きです。ワインは我が人生!ワインが一杯あれば人生薔薇色です。僕は一年に3~4回ヨーロッパに出かけますので、その時に飲んだワインや、買って持ち帰ったワインを飲み乍らの酒中日記です。
by pon031t
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南川三治郎.com
Profile1945 三重県生まれ 、1966 東京写真大学卒業、大宅壮一東京マスコミ塾・第一期出塾 1969~70 フランス・パリ在住、ヨーロッパ各国を取材旅行、1970 帰国、フリーランス・フォトグラファーとして現在に至る

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